センター長挨拶
環インド洋地域研究(INDOWS)は、アフリカ・中東・南アジア・東南アジアをつなぐ「インド洋」という空間に着目し、そこを行き交うヒトやモノ、情報、カネ、文化、信仰の移動と拡がりが、従来の地域研究の枠組みである「地域」や国⺠国家を超えた、様々な関係性の生成・発展・蓄積あるいは消滅に関わってきた動態を解明することで、地域研究の新たな展望を開くことを目指しています。INDOWSは4つの拠点から成り、国立⺠族学博物館拠点は「移動の連関性と連続性」、大阪大学拠点は「文学・思想の混交性と創造性」、東京大学拠点は「開発、環境、医療」、京都大学拠点は「平和的共生」をテーマに掲げています。
京都大学拠点(KINDOWS)は、民族・宗教対立が頻発し、経済・社会格差が広がる環インド洋世界において、人びとがいかに「平和的共存」を模索してきたかを、人類学、政治学、経済学、歴史学、地理学などを含む広範な学際的アプローチによって探求します。特に、主権と民主化、 紛争と難民、草の根の宗教運動、ポスト資本主義などの、深く連関する問題系について研究を行ないます。
これまで培われてきた南アジア、アフリカ、東南アジア、イスラーム地域研究という異なる地域研究の伝統を継承し発展させ、総合的でグローバルな地域研究の構築に貢献することを目指します。
上記のテーマに関する研究会、国際セミナー、若手ワークショップなどの他、環インド洋世界の映画上映を含む公開講座も企画していきますので、是非、ご参加ください。
環インド洋研究センター代表
藤倉 達郎